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大人のアスペルガー症候群とは?仕事で失敗しやすいあるあるとその対策まで紹介

更新日 2025/05/09

大人のアスペルガー症候群の特徴や仕事で起きやすいトラブル例、具体的な支援機関や対処法を詳しく紹介します。

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MEWSは2023年12月8日に開所し、就労を希望する方一人ひとりに合わせたカリキュラムを作成し、就職活動までサポートしています。

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大人のアスペルガー症候群とは

アスペルガー症候群とは、発達障がいの一種で、知的発達の遅れはないものの、対人関係やコミュニケーション、こだわり行動などに特徴があります。

現在では、アスペルガー症候群という名称は公式には使われなくなり、「自閉スペクトラム症(ASD)」に統合されていますが、一般的には今でも「アスペルガー症候群」という言葉で理解されることが多いです。

アスペルガー症候群とASDの関係は?

アスペルガー症候群は、ASD(自閉スペクトラム症)の一形態です。現在では「自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害(ASD)」という診断名に統一されています。

アスペルガー症候群はASDの中でも、言語や知的発達の遅れがないタイプであり、特定の分野で優れた能力を持つ人も少なくありません。

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広汎性発達障がいとの違い

広汎性発達障がい(PDD)も現在では自閉スペクトラム症(ASD)と一括りにされていますが、その中でも想像力の欠如・対人関係の困難を抱えやすいという特性があります。

ですが論理的思考力や正確さとその緻密さを兼ね備えてることが多く、情報処理やデータ管理などの仕事で活躍できる可能性もあります。

大人のアスペルガー症候群が仕事で失敗しやすい例

アスペルガー症候群の特性から仕事で悩みがちな例を紹介します

こだわりの強さによる柔軟性の欠如

アスペルガー症候群の人は、自分が「正しい」と思う手順や基準に強くこだわり、それが周囲の要望や状況と食い違うと、納得できずに行動できないことがある。

具体例

上司から「今回は多少見た目が雑でも、納期を優先してほしい」と指示されたが、自分の中で「丁寧に仕上げることが正しい」と強く思い込み、細部の修正にこだわって作業が大幅に遅れ、納期に間に合わなかった。

対策ポイント

仕事の「優先順位」や「目的(納期を守ること)」をあらかじめ言語化して共有する。完璧主義が発動しそうなときは「80点でOK」と自己暗示する習慣をつける。必要なら「どこまでやれば合格か」を具体的に上司に確認する。

コミュニケーションの苦手さ

曖昧な表現や空気を読む必要がある言葉の裏側の意図を正しく受け取るのが難しく、誤解や行動のズレが生じやすい。

具体例

顧客から「急ぎじゃないけど、できれば今日中に」と言われた案件を「急ぎじゃない」とだけ受け取り、後回しにしていたところ、夕方に「まだですか?」と催促されてクレームにつながった。

対策ポイント

指示を受けたら「つまり、今日中に対応したほうがいいですか?」など具体的に確認し直す習慣を持つ。可能なら指示内容をメモ・記録し、復唱して確認をとるとトラブルを防げる。

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感覚過敏・鈍麻による職場環境への不適応

感覚が過敏だったり逆に鈍かったりすることで、本人の体調や集中力に大きく影響する一方、周囲はその特性に気づきにくい。

具体例

オフィスの蛍光灯のまぶしさや話し声、電話音にストレスを感じ、集中できずにミスが増加。周囲には不調の原因が理解されにくく、パフォーマンスが下がる原因になった。

対策ポイント

耳栓やノイズキャンセリングイヤホン、サングラス、パーテーションなどの「環境調整」を自分で工夫するか、職場に配慮をお願いする。自分の感覚的ストレスを「可視化」し、説明できるようにしておくと理解が得やすい。

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習慣化しやすく変化に弱い

決まったパターンに安心感を持つ一方、急な変化には不安や混乱を感じやすく、切り替えが苦手。

具体例

毎朝の業務手順が変わっただけで混乱してしまい、何から手をつけていいかわからなくなってしまう。あるいは新しい業務ソフトの操作に適応できず、作業が止まってしまう。

対策ポイント

変更点や新しいルールは、事前に「見える化」して説明を受けると混乱しにくい。変化の理由を理解し、手順のマニュアル化・チェックリスト化で不安を軽減する。また、移行期間を設けて段階的に慣れる工夫も効果的。

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自分がアスペルガー症候群だと思ったら?

自分に必要な支援を求める

アスペルガー症候群の特性が原因で仕事や人間関係で困りごとが多い場合、早めに専門機関に相談することが大切です。

発達障がいを持つ人々の社会復帰支援「共に歩む第一歩」

発達障害者支援センター

全国各地に設置されている発達障害者支援センターでは、発達障がいの特性理解、日常生活や就労に関する相談、支援計画の作成などを行っています。

障害者就業・生活支援センター

障害者の就労と生活をトータルで支援する機関で、職場との調整や就労定着支援も行っています。小田原市内にも連携機関があります。

病院

精神科や心療内科で、発達障がいの診断や治療が受けられます。医師の診断により障害者手帳の取得が可能となる場合もあり、就労支援を受けやすくなります。

就労移行支援事業所

障害のある人が一般就労を目指すための訓練を受けられる施設です。就労移行支援では安定した就労をしていただく事を目標としています。

就労移行支援とは

地域若者サポートステーション

15歳〜49歳までの若者を対象に、就職に向けた支援や相談を行っており、発達特性を持つ人の支援にも対応しています。

自分の強み(得意なこと)を考える

アスペルガー症候群の方は、「弱み」ばかりが注目されがちですが、実は特定の分野においては高い集中力や正確性を発揮できる強みもあります。

  • 興味のある分野に対する深い知識や探究心
  • 正確さや几帳面さが求められる業務への適性(データ入力、検品など)
  • ルールやマニュアルが明確な作業での安定したパフォーマンス

強みに気づくことで、適職を見つけやすくなり、就労定着にもつながります。

アスペルガー症候群の簡易チェックリスト

以下のような傾向が多く当てはまる場合は、アスペルガー症候群(ASD)の可能性があるかもしれません。

  • 冗談や皮肉がわかりづらい
  • 雑談や世間話が苦手
  • 興味のあることには強く集中するが、それ以外は興味が持てない
  • 音や光、においなどに敏感
  • 予定が変わると強い不安を感じる
  • 曖昧な指示が理解しづらい
  • 人の感情を読み取りづらい

気になる方は、医療機関や支援センターでの相談をおすすめします。

アスペルガー症候群まとめ

大人のアスペルガー症候群は、職場や日常生活でさまざまな困難を抱えることがありますが、特性を理解し、適切な支援を受けることで大きく改善される可能性があります。

まずは自身の強みや特性を理解することが第一歩です。支援機関を活用しながら、安心して働き、充実した生活を送るための道を一緒に探していきましょう。

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