[発達障がい]心地よい人間関係を築く方法「もう浮かない」

職場の人間関係などで「周囲と適切な距離が測れない」「会話がかみ合わない」と感じ、孤立感を抱くADHDやASDなどの発達障がいのある方は少なくありません。それは、あなたの特性が原因かもしれません。
しかし、それはあなたの努力不足や欠点ではありません。
違いを理解し、あなたらしくいられる環境や関係性を築くための方法を知れば、きっと今よりもっと心地よい人間関係を築くことができます。
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執筆者
MEWS職員
MEWSは2023年12月8日に開所し、就労を希望する方一人ひとりに合わせたカリキュラムを作成し、就職活動までサポートしています。
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適切な「距離感」と「自己開示」で警戒心を解く

人間関係において、お互いの安心や快適さを保てる「適切な距離感」は、関係性の深さによって常に変化します。発達障がいがある方にとって、この見えない境界線(バウンダリー)を自然に測るのは簡単ではありません。
距離感の失敗で生じる「あるある」と原因
適切な距離感が測れないことで、相手に警戒心や不快感を与えてしまうことがあります。
- 物理的な距離が近すぎる
- 特に職場で、家族や親しい友人以外に不用意に近づきすぎたり、体に触れたりすると、「好意がある」と誤解されたり、不快感を与えたりします。
- 初対面なのに話が深すぎる
- 初対面で個人的すぎる悩みを打ち明ける(自己開示しすぎる)と、相手は話が重く感じ、警戒してしまうことがあります。
誤解を招く行動の例と物理的な距離の目安
不適切な行動と、それにより相手に与えてしまう印象には、以下のようなものがあります。
初対面で個人的な悩みを相談すると、相手からは「警戒心が足りない人」あるいは「話が重い」といった印象を持たれかねません。
身体に不用意に触れてしまう行為は、「馴れ馴れしい」と感じさせたり、「好意がある?」と誤解されたりする原因となります。
必要以上に相手に近づきすぎると、「不快」に思われたり、「プライベートに踏み込まれた」と感じさせたりします。
人間関係の摩擦を減らすためには、物理的な距離を意識しましょう。
特に用がない時の間隔は2メートル程度を目安にし、
相手に向かって話すときでも1メートル以上は離れるように心がけることが大切です。
関係性の深さに合わせた「自己開示」の3ステップ
人との距離を縮め、信頼関係を築くには、自分のことを話す「自己開示」が有効です。
ただし、自己開示は、相手との関係性の深さによって内容の深さを細やかに調節することが非常に重要です。
ステップ1: 初対面・親密ではない人
話題: 趣味、好きな食べ物、天気など、あたりさわりのない話(例:「私は映画を観るのが好きなんです」)。
目安は、電車などで赤の他人に聞かれても問題ない程度です。
ステップ2: 親しい同僚・知人
話題: 共通の話題や仕事上の苦労、お互いの家族構成などを知っている関係であれば、軽めのプライベート(例:「めいっこがバスケをしていて…」)も可。
聞かれた範囲で、同じくらいの深さを返すのが理想的です。
ステップ3: 親友・信頼している人
話題: 普段から相談事をしているような信頼できる相手なら、個人的な深刻な悩みや、自身の発達障がいについての告白なども受け入れてもらいやすいでしょう。
会話のすれ違いを防ぐ「言葉の受け取り方」の工夫

言葉をすべて文字通りに受け取ってしまう特性は、会話において摩擦を生む原因の一つです。
冗談や比喩、たとえ話が通じず、非言語コミュニケーション(表情や声のトーン)を読み取ることが苦手なため、会話のキャッチボールが上手くいかないことがあります。
冗談や比喩を真に受けないようにする
冗談を真に受けてしまうと、「満腹で死にそう」という表現に対し、「病院に行った方が良い」と返してしまうなど、相手の意図とずれた反応をしてしまいがちです。
冗談への対応と自己肯定感の維持
笑顔でかわすスキルを身につける
冗談か判断がつかないとき、あるいは冗談と分かっても疲れてしまったときは、無理に返答せず、笑顔で頷いてその場を流すのが最も安全です。
物理的な距離を置く
冗談を連発してきて疲れる人とは、挨拶や仕事の話をする以外は、なるべく関わらないように物理的に距離を置く工夫をしましょう。
あからさまに避けるや逃げるとは違います。最低限の挨拶や仕事の話をするときに笑顔で対応すれば、関係性はこじれないはずです。
ポジティブに捉え直す
冗談が通じないのは、「人を疑わない素直さ」という長所でもあります。「冗談が通じないのは素直で誠実な自分の長所」と前向きに捉え直すことで、自己嫌悪に陥るのを防ぎましょう。
やんわりと伝える
信頼関係がある程度ある相手には、「すみません、私は何でも真に受けてしまう性格なんですよ」などと笑顔で事前に伝えておくことで、相手にも配慮が生まれやすくなります。
悪意や下心から身を守るための意識改革
冗談だけでなく、相手の悪意や下心に気づきにくいこともあります。すべてを真に受けず、冷静に状況を見極める意識を持つことが、あなた自身を守る盾になります。
即答を避ける習慣をつける
重要な話や判断、あるいは不審に感じる依頼をされた場合は、その場で即答せず、「持ち帰って検討します」と返しましょう。
セカンドオピニオンを持つ
迷ったときや、相手の言動が腑に落ちないときは、信頼できる第三者(家族、支援者、親友など)に客観的な意見を求めてみましょう。
まとめ

「私だけ浮いている」と感じる時、それはあなたが周囲とは異なるユニークな個性を持っている証拠です。
心地よい人間関係を築く鍵は、すべての人に合わせようとすることではなく、あなた自身があなたの特性を深く理解し、その上で安全で快適な関わり方をデザインすることです。
物理的・精神的な「境界線」を意識して、無理なく関われる距離を保ちましょう。
関係性の深さに応じた適切な自己開示を心がけましょう。
言葉をすべて真に受けず、クッション言葉(笑顔や流す態度)で対応するスキルを身につけましょう。
就労移行支援事業所では、自己理解を深め、職場での適切なコミュニケーション方法を学ぶ機会を提供しています。あなたらしく輝ける、心地よい人間関係を築くための一歩を、私たちと一緒に踏み出してみませんか?
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