コラム記事
障がいのある方の睡眠の悩み、一人で抱え込んでいませんか?
執筆者
MEWS職員
MEWSは2023年12月8日に開所し、就労を希望する方一人ひとりに合わせたカリキュラムを作成し、就職活動までサポートしています。
MEWSは2023年12月8日に開所し、就労を希望する方一人ひとりに合わせたカリキュラムを作成し、就職活動までサポートしています。
「なかなか寝付けない」「夜中に何度も目が覚めてしまう」
そんな睡眠の悩みを抱えていませんか?
睡眠は私たちにとって、心身の疲労を回復させ、健康を維持するために欠かせないものです。
しかし、 障がいのある方の中には、様々な要因から睡眠に問題を抱えている方が少なくありません。
今回は、障がいと不眠の関係について詳しく解説し、質の高い睡眠を得るための方法を探っていきます。
\相談は小田原の『就労移行支援事業所MEWS』へ/
「障がいと不眠症」症状と原因を理解する
睡眠障がいとは何か?
睡眠障がいとは、睡眠に関連する様々な問題が生じている状態を指します。
具体的には、 寝付きが悪い、眠りが浅い、途中で何度も目が覚める、朝早くに目が覚めてしまう、ぐっすり眠った気がしない など、様々な症状があります。
これらの症状が続くことで、日中の眠気や倦怠感、集中力低下、イライラしやすくなるなどの問題が生じ、日常生活や仕事、学業に大きな支障をきたす可能性があります。
不眠症の症状とタイプ
不眠症は、睡眠障がいの中でも特に多い症状です。
【不眠症の主な症状】
- 入眠障害
- 寝ようと思ってもなかなか寝付けない。
- 中途覚醒
- 一度眠りに就いても、夜中に何度も目が覚めてしまう。
- 早朝覚醒
- 朝早くに目が覚めてしまい、その後は眠れない。
- 熟睡障害
- 眠っている間も浅い眠りが続き、深く眠れた気がしない。
【不眠症のタイプ】
- 一過性不眠
- ストレスや環境の変化など、一時的な要因によって引き起こされる不眠。数日から数週間程度で改善することが多い。
- 短期不眠
- 数週間から1ヶ月未満続く不眠。
- 慢性不眠
- 1ヶ月以上不眠の症状が続く状態。
障がいによる影響とは。日常生活の支障
障がいのある方は、その種類や程度によって、日常生活で様々な困難に直面することがあります。
【障がいによる睡眠への影響】
- 身体的な痛みや不快感
- 身体障がいや慢性疾患などによる痛みや不快感が、睡眠の妨げになることがあります。
- 精神的なストレス
- 障がいによる生活上の制限や社会的な偏見などにより、ストレスを感じやすく、それが不眠につながることがあります。
- 服薬の影響
- 障がいの治療のために服用している薬の中には、睡眠に影響を与えるものがあります。
- 生活リズムの乱れ
- 障がいにより、規則正しい生活リズムを維持することが難しい場合があり、体内時計が乱れて不眠を引き起こすことがあります。
眠れない原因を探る
不眠の原因は人それぞれであり、複数の要因が複雑に絡み合っている場合もあります。
【主な不眠の原因】
- 身体的な要因
- 痛み、かゆみ、呼吸困難、頻尿、ホルモンバランスの乱れ、薬の副作用など
- 精神的な要因
- ストレス、不安、うつ病、パニック障害、PTSDなど
- 環境的な要因
- 騒音、光、温度、湿度、寝具との相性が悪いなど
- 生活習慣の要因
- 不規則な生活、寝る前のカフェイン摂取、アルコール摂取、喫煙、運動不足など
- 脳の機能異常
- 睡眠覚醒リズムを調整する脳内物質の分泌異常など
入眠障がいと中途覚醒
入眠困難のメカニズム
【入眠障害】
原因:
- ストレスや不安を抱えている
- 寝る前にカフェインやアルコールを摂取している
- 寝室の環境が悪い(明るすぎる、うるさいなど)
- 身体的な問題を抱えている(痛み、かゆみ、呼吸困難など)
対策:
- 就寝前のリラックス法を取り入れる(ぬるめの湯船に浸かる、ストレッチをする、アロマを焚くなど)
- 寝室の環境を整える(カーテンで光を遮断する、耳栓やアイマスクを使う、室温や湿度を調整するなど)
- 寝る前にカフェインやアルコールを控える
- 規則正しい生活リズムを心がける
中途覚醒の原因と対策
原因:
- ストレスや不安
- 睡眠時無呼吸症候群
- 夜間頻尿
- 薬の副作用
- アルコールやニコチンの離脱症状
対策:
- 寝室の環境を整える
- ストレスを解消する方法を見つける
- 寝る前に水分を控える
- 睡眠時無呼吸症候群の可能性があれば、医師に相談する
早朝覚醒の改善方法
原因:
- うつ病などの精神疾患
- 加齢による体内時計の変化
- 早朝に目が覚めてしまうことへの不安や恐怖
対策:
- 規則正しい生活リズムを維持する
- 朝起きたら太陽の光を浴びる
- 軽い運動を取り入れる
- リラックスできる習慣を取り入れる
不眠を引き起こす病気
不眠は、それ自体が独立した病気である場合もありますが、他の病気の症状として現れることもあります。
- うつ病
- うつ病の典型的な症状の一つに不眠があります。特に、早朝覚醒や日中の強い眠気などがみられる場合は、うつ病の可能性も考慮する必要があります。
- 睡眠時無呼吸症候群
- 睡眠中に呼吸が止まってしまう病気です。大きないびきや日中の強い眠気などが特徴です。
- その他の疾患
- 甲状腺機能亢進症、パーキンソン病、喘息、慢性疼痛、胃食道逆流症、心臓病、認知症なども不眠を引き起こす可能性があります。
睡眠の質を改善する方法
質の高い睡眠を得るためには、生活習慣の見直しやリラックス法、環境改善など、多方面からのアプローチが有効です。
【生活習慣の改善】
- 規則正しい生活を心がけ、毎日同じ時間に起床・就寝する
- 日中に太陽の光を浴びる
- 適度な運動を習慣化する
- 就寝前のカフェインやアルコールを控える
- 寝る前にスマホやパソコン、テレビを見ない
【リラックス法と環境改善】
- 寝る前にぬるめの湯船に浸かる
- 軽いストレッチやヨガなどを行う
- 寝室の温度や湿度を快適に保つ
- アロマを焚いたり、リラックス効果のある音楽を聴いたりする
- 寝具を自分に合ったものに変える
薬物療法と副作用
生活習慣の改善や行動療法で効果が見られない場合は、医師の診断のもと、薬物療法を行う場合があります。
睡眠薬の種類と効果
- ベンゾジアゼピン系睡眠薬
- 脳内の神経伝達物質であるGABAの働きを高め、脳の活動を鎮めることで、入眠を促したり、眠りを深くしたりする効果があります。
- 非ベンゾジアゼピン系睡眠薬
- 特定の睡眠に関わる受容体に作用し、自然な眠りに近い形で入眠を促したり、睡眠の質を改善したりする効果があります。
- メラトニン受容体作動薬
- 体内時計を調整するホルモンであるメラトニンの働きを助けることで、自然な睡眠を促す効果があります。
副作用への理解と管理
睡眠薬は、正しく使用すれば効果的な治療法となりえますが、副作用が出る場合もあるため、医師の指示に従って服用することが重要です。
主な副作用として、ふらつき、眠気、依存性などが挙げられます。
医師への相談が重要
これらの薬物療法等は一例であり、必ず医師の相談を受けましょう。
睡眠のための行動療法
行動療法は、睡眠に関する間違った考え方や行動習慣を改善することで、睡眠障がいを治療する方法です。薬物療法と比べて、根本的な解決に繋がりやすいというメリットがあります。
一部治療法による改善
【認知行動療法】
- 睡眠に関する間違った考え方や信念を修正する
- 睡眠に良い行動パターンを身につける
- ストレスや不安を軽減する
【刺激制御法】
- 寝室は睡眠のためだけの場所と決める
- 寝付けない時はベッドから出て、リラックスできることをする
- 毎日決まった時間に起きる
【睡眠制限療法】
- 睡眠時間を制限することで、睡眠効率を高める
- 徐々に睡眠時間を延ばしていく
生活リズムの見直し
生活リズムを整えることは非常に重要です。
昼夜逆転してしまっている方も多くいるかと思います。
朝起き、夜布団にはいることを基本に毎日続けることが大切です。
日中の眠気とその対策
日中の眠気の原因
- 睡眠不足
- 睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害
- ナルコレプシーなどの過眠症
- 薬の副作用
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集中力向上のための工夫
- 十分な睡眠時間を確保する
- 規則正しい生活リズムを維持する
- 適度な運動を取り入れる
- バランスの取れた食事を心がける
適切な昼寝とその効果
- 昼寝は15分から20分程度を目安にする
- 午後3時以降の昼寝は避ける
- 昼寝をすることで、眠気を解消し、集中力や作業効率を高める効果が期待できます。
睡眠障がいのチェックリスト
以下の項目に当てはまるものがあれば、睡眠障害の可能性があります。
- 寝付きが悪い日が続いている
- 夜中に何度も目が覚めてしまう
- 朝早くに目が覚めてしまい、その後は眠れない
- 十分な時間眠っているはずなのに、日中眠気が強い
- いびきがひどいと指摘されたことがある
- 睡眠中に呼吸が止まっていると指摘されたことがある
これらの症状が続く場合は、医療機関を受診し、専門医に相談することをおすすめします。
睡眠障害のまとめ
睡眠障がいは、日常生活に大きな影響を与える可能性のある問題です。
「自分は我慢強いから」「そのうち治るだろう」 と一人で抱え込まず、まずは自分の睡眠の状態を知り、改善のためのアクションを起こしましょう。
そして、専門機関や医療機関のサポートも活用しながら、穏やかな夜と活動的な日々を取り戻せるように、一歩ずつ進んでいきましょう。